歯磨剤(しまざい)の有害成分とは
歯磨剤(しまざい)は、歯磨きの時に使用されるものです。通常はチューブ入りのペースト状で、練歯磨剤(ねりはみがきざい)とも呼ばれ、昔は粉状の歯磨剤を使っていた時期があった為、「歯磨き粉」と呼ばれていました。
その歯磨剤にはいろんな薬品が使われています。人体に影響があるという情報(ネット上で)もあり、気になるところです。 ネット上では有害な成分があるのではとの疑問を抱いている様子が確認できました。根拠が不明なものもあり、確定的なものが見つからないものもあります。
その前に歯磨剤の成分(薬品)を確認してください。
歯磨剤の成分一覧はこちらです。
疑わしいものをピックアップしています。
歯磨剤の成分は基本的には化学薬品です。
体内に入ったときに蓄積されるものと、排出されるものがあります。
体内に入る量がどの程度なのか、又、人体にどんな影響があるか不明です。
従って無暗に怖がる必要もありませんが、全く無視するわけにもいきません。難しいところです。
使用する時は注意が必要です。
使用するとき
・疑わしいものは使用しないで代替品で歯磨きを行う。
・使用を半減させる。
方法があります。
(MENU)
歯磨剤の成分
うがいしても残る界面活性剤
研磨剤
・リン酸水素カルシウム
発泡剤
・ラウリル硫酸ナトリウム
香味剤
フッ化物
有害歯磨剤の対策
唾液の成分
写真1 こんなにたっぷりつけなくても歯は磨けます
うがいしても残る界面活性剤
歯みがきに含まれている界面活性剤が、何回ゆすぐと、口の中に残らなくなるか。テストしました。その結果です。
試験場所:枚方市磯島北町の私立公害水質分析室
参加:小学生と母親12組
条件:10回ゆすぎ、はき出した水の濃度を検査
各家庭で使っている歯みがきを持参。12人の小学生がこれでみがいて、ゆすいだ水に試薬を入れ、色の変化で界面活性剤の濃度を調べた。
結果
・3回目のゆすぎ水では最高5ppm検出。
・10回目でも3~2ppm検出。
・「せっけん歯みがき」だけが濃度ゼロだった。
水道水の水質は、水道法で、界面活性剤の濃度が0.5ppm以下と決められています。一般的な歯磨剤で歯をみがくと、口内の合成洗剤濃度が2000ppmになってしまいます。水道水の4000倍の毒性という驚くべき状態です。
その残存濃度だと、以下のような懸念があります。
・歯茎から血がでていたりすると、血管から界面活性剤が体内に滲み込む。
・上記記事にあるとうり、界面活性剤の残った口から水を飲むと毒が体内に入る。
-1988年(昭和63年)8月19日金曜日の朝日新聞記事より-
研磨剤
リン酸水素カルシウム
リン酸水素カルシウムは研磨剤です。これを使うことにより歯の表面の汚れを落とし、白く見せることができます。歯は年齢と共に黄ばみがでます。これは自然なことです。
歯を白く見せるためには研磨剤で表面を削らなくてはなりません。白くはなりますがそれに合わせて歯が細っていきます。当然知覚過敏のリスクがでてきます。
発泡剤
ラウリル硫酸ナトリウム
清掃用洗剤に含まれる他、歯磨き粉やシャンプー、ボディーソープにも使用されています。他のすべての界面活性剤と同じく皮脂を取り除くため、皮膚や眼などに炎症を起こす可能性があり、特に、眼に入った後は大量の水で洗い流す必要があります。
歯磨き直後、ものを食べると味が変わることがあります。これは、味覚を感じるための舌の細胞(味蕾)が、界面活性剤によって、傷がつく為です。20,30分くらいすれば回復します。只、歯磨きのたびにこれを繰り返していると、だんだん味覚を感じる力が弱くなり、濃い味つけでないと、満足できなくなります。
香味剤
サッカリンナトリウム
1960年代に行われた動物実験で雄ラットに膀胱癌の発生が見られたため(雌では見られず)、サッカリンには弱い発癌性があると考えられ、一度は使用禁止になりました。しかしその後サルも含めて様々な動物で試験が行われ、他の動物では発癌性は示されなかった。
ミント、メントール
爽快味および冷涼感を与えるメントールに富むため、ミントは香料として食品や歯磨き粉に添加されたり、アロマテラピーに用いられています。
歯磨きが不十分でも清涼感があるため、歯垢が取れたと錯覚を起こしやすいので注意が必要です。
フッ化物
フッ素の有害性を訴えるホームページは沢山あります。フッ素は歯質強化できるということですが、学者の間でも有害と、歯質強化が実現するとの両論あります。適切な量であれば弊害も少ないでしょうが、使用量が過度になると有害のリスクは否定できません。摂取量により大きく影響されます。
1. 慢性中毒
長年飲料水等により過量のフッ化物を摂取したとき生じるもので斑状歯(歯牙フッ化物症)と骨硬化症の2つがあります。
斑状歯(歯牙フッ化物症)となるのは、適量の2-3倍以上の量のフッ化物を、顎の骨の中で歯がつくられている時期に継続して摂取した場合です。
骨硬化症は、適量の10倍以上のフッ化物を数十年摂取し続けた場合に起こる場合があります。
2. 急性中毒
一度に多量のフッ化物を摂取したときに生じるもので、吐き気、嘔吐、腹部不快感などの症状を示します。
フッ化物の急性中毒量は、体重1kgあたりフッ化物の量2mgです。例えば、体重20kgの子供が40mgのフッ化物を摂取することで生じます。
通常むし歯予防に利用するフッ化物(フッ化物洗口、フッ化物塗布、フッ化物入り歯磨剤)では、適量を使用している限り中毒を起こすことはありません。
歯磨剤の成分
歯磨剤は基本成分の歯磨剤と基本成分+薬用成分の2種類です。
歯磨剤の基本成分は研磨剤と発泡剤を主成分とし、保湿剤や結合材などが配合されています。医薬部外品歯磨剤はフッ素が含まれています。
薬事法により、
基本成分のみの歯磨剤は化粧品歯磨剤に、
基本成分の他に薬用成分が含まれている歯磨剤は医薬部外品歯磨剤に分類されます。
(薬事法第2条)
含まれる薬品は歯磨剤により異なります。チューブの背面の成分表をご覧ください。
1.基本成分(化粧品歯磨剤)
成 分 | 作用&目的 | 薬 品 名 |
研磨剤 | 歯の表面の汚れ落とし | ・リン酸水素カルシウム ・炭酸カルシウム ・水酸化アルミニウム 等 |
湿潤剤 | 適度の湿り気と可塑性 | ・グリセリン ・ソルビート 等 |
発泡剤 | 口中の汚れの清掃 | ・ラウリル硫酸ナトリウム 等 |
粘結剤 | 粘性を与える | ・カルボキシメルセルロースナトリウム ・アルギン酸ナトリウム ・カラギーナン 等 |
香味剤 | 爽快感と香り | ・サッカリンナトリウム ・メントール ・ミント 等 |
保存剤 | 歯磨剤の劣化を防ぐ | ・バラペン ・安息香酸ナトリウム 等 |
2.薬用成分(医薬部外品歯磨剤)
成 分 | 作用&目的 | 薬 品 名 |
フッ化物 | 抗炎症・殺菌など | ・フッ化ナトリウム ・モノフルオロリン酸ナトリウム ・フッ化スズ |
有害歯磨剤の対策
上でも少しお話ししたように、対応方法は2つです。
・疑わしいものは使用しないで代替品で歯磨きを行う
・使用を半減させる
です。
1.疑わしいものは使用しないで代替品で歯磨きを行う
歯磨剤は基本的には化学薬品がほとんどです。安全性が保障されているわけでもありません。むしろ使用薬品が有害ではないかと話題になっています。その薬品ですが、真偽には疑問なものもあります。今風に言えば白、黒、グレーに分類できるが、白しか使用しないという考え方です。
ではその代替品は何かということですが、いくつかります。
(1) 唾液でブラッシング
何もつけないで唾液で歯垢などをクリーニングする方法です。唾液には人体に有益な成分が含まれています。殺菌成分、洗浄成分等です。唾液に成分をご覧ください。
(2) 「せっけんハミガキ」でブラッシング
「せっけんハミガキ」は、合成界面活性剤、サッカリン、防腐剤を使用していません。発泡剤に酸化防止剤、色素、香料を含まない純植物性無添加石けんを使用していますので、安全性が高い歯磨剤です。せっけんはみがきはこちらです。
2.使用を半減させる
下記の写真1の様に、たっぷりつけなくても歯垢はクリーニングできます。
使用する量を大幅にカットすれば有害のリスクもその分カットできるというわけです。但しゼロにはなりません。
これも解決方法の一つです。
写真1 こんなにたっぷりつけなくても歯は磨けます
唾液の成分
唾液(だえき)は、唾液腺から口腔内に分泌される分泌液です。水、電解質、粘液、多くの種類の酵素から構成されています。通常では1日に1-1.5リットル程度(安静時唾液で700-800ミリリットル程度)分泌され、成分の99.5%が水分であり、無機質と有機質が残りの約半分ずつを占めています。
作 用 | 成 分 名 |
緩衝作用 pHを一定に保つ | ・重炭酸塩 ・リン酸塩 等 |
殺菌・抗菌作用 | ・リゾチーム ・ラクトフェリン ・ヒスタチン ・ペルオキシダーゼ ・アグルチニン ・ディフェンシン 等 |
消化作用 | ・プチアリン(アミラーゼ) ・マルターゼ ・リパーゼ 等 |
再石灰化作用 | ・カルシウム ・ミネラル 等 |
その他 | ・プロリンリッチタンパク ・スタセリン ・シスタチン 等 |
唾液(だえき)は、デンプンをマルトース(麦芽糖)へと分解するβ-アミラーゼを含む消化液として知られる他、口腔粘膜の保護や洗浄、殺菌、抗菌、排泄などの作用を行い、また緩衝液としてpHが急激に低下しないように働くことで、う蝕(うしょく・虫歯のこと)の予防も行っています。
関連情報
管理人の自宅にある「歯磨剤」
多くの成分が含有されています。
パックス こども ジェルはみがき 50g ×2個セット
(商品紹介)
●天然原料を使用しているため、やや味や色が変化することがあったり、食事の内容や体調で風味が変わって感じることがあります。
●口内に傷や異常がある時は使用しないでください。
●開封後は早めに使い切ってください。
●日の当たらない、涼しい場所で保管してください。
研磨剤・発泡剤を使用せず、海草に含まれるアルギン酸ナトリウムを使用した子供用歯磨きです。合成界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウムなど)、サッカリン、防腐剤は使用していません。甘味剤としてキシリトール、着色剤としてベニバナ色素を使用。清涼剤には、ハーブ精油(ハッカ油、オレンジ油、グレープフルーツ果皮油、ラベンダー油)を使用しています。電動歯ブラシにもご使用いただけます。
シャボン玉 せっけんハミガキ 140g
(商品紹介)
「無添加 シャボン玉 せっけんハミガキ 140g(石鹸はみがき)」は、合成界面活性剤、サッカリン、防腐剤を使用していないせっけん歯磨きです。発泡剤に酸化防止剤、色素、香料を含まない純植物性無添加石けんを使用しています。ご使用後、味をそこないません。キャップをはずして最後までしぼって使用できます。
最後までご覧いただきありがとうございました。