歯垢をためない、増やさない|寝起きの口腔中のリスク・細菌の量は最悪

寝起きの口腔内の細菌の量は最悪の状態

寝起きの口腔内・細菌の量は最悪・リスク

朝目覚めた時、口の中がネバネバしたり、口臭はありませんか。

口腔内の細菌汚染がもっともひどいのは、起床直後です。
虫歯も歯周病も寝ている間に悪化します。

寝起きは、睡眠中に唾液分泌が抑制を受けているために口腔内細菌は驚異的に増えており、臭いもあります。
口腔内細菌は睡眠後3時間すれば、爆発的にその数が増えていき、約8時間で、細菌数は飽和状態になります。

(飽和状態とは、死滅する細菌数と増加する細菌数が拮抗している状態です)
-医療法人本田歯科より引用-

起床すると、唾液(成分はこちら・重要です)は分泌され続けるので、口腔内細菌は増殖も活動もできません。むしろ抑えられてしまいます。特にストレスを抱えている人は、身体は起床していますが、唾液の分泌は睡眠中と同じで抑制され、細菌の数は増えていきます。もちろん口臭も発生しています。ストレスの影響は大きいです。

寝起き直後に何をしていますか。
・歯磨きをする
・水を飲む
・うがいをする
・食事をする
前後にトイレに行く。そんな行動でしょうか。

こんな表現をする歯医者さんもいます「口の中は肛門の周りより汚い」
ちょっとショックですよね。
『口腔常在菌』は清潔にしている人にもいます。その数は数百種類あると言われています。それ以外にも、歯垢の清掃が不十分の場合とか、歯石をもっている場合は特に注意が必要です。上でも説明した通り、睡眠中に爆発的に増殖します。一説によると数百億、数千億の細菌がいるといわれています。
そんな状態です。歯磨きはしないのですか。

最近、「口腔ケア」の重要性が注目されています。
これはNHKの「クローズアップ現代」でとり上げられ報道されました。口腔ケアの重要性はこちらです。(2014年12月1日(月)放送)
この報道では、口腔ケアの重要性が訴えられ、その効果も既に証明され、注目されています。

 

歯磨きの目的

歯磨きの主要な目的は二つあります。
歯垢(プラーク)のクリーニングと細菌のクリーニングです。

1. 歯垢(プラーク)のクリーニング
クリーニング(ブラッシング)です。歯垢をためない、ふやさないことが最も重要なことです。
全ての根源は歯垢です。歯垢はうがいでは取れません。クリーニングです。さらに歯垢を放置すると約48時間で歯石化します。歯石になるとブラッシングではとれません。歯医者さんで歯石をとってもらうしかありません。

2. 細菌のクリーニング
上でも話したように、寝起き後の口腔内の細菌のクリーニングです。
「口の中は肛門より汚い」状態で水を飲んだり、食事ができますか。クリーニングではないでしょうか。

NHK報道(クローズアップ現代)の「口腔ケアの重要性」ですが、体内に入り込むルートが明らかになっていません。可能性として、口の中に出血があるとそこから細菌が体内に入りこむ。又、せき込んだ時に細菌が肺に入り込む等が考えられます。細菌のクリーニングということもありますが、体内に入り込む細菌を防ぐことも重要です。

 

口腔内の ph の変化

食後は唾液成分 (表1)がはたらき、口腔内は最も細菌の活性が乏しく、無菌に近い状態となることが分かっています。食後すぐにはプラークもほとんど存在しません。しかし、食べ残しとか飲み残しがあると、口腔内の環境は一変し悪化します。
口腔内は食事によって ph の低下(酸性化する)が起こります。口腔内の正常な状態は、 ph は中和状態です。
飲食後の口腔のケアはプラークの除去ではなく、食べ残し飲み残しを無くし、中和能力の高い唾液の確保です。

口腔内の ph は唾液により自動的にコントロールされ安定しています。しかし精神的な不安やストレスがあると唾液の成分が不安定になり、口腔内のコントロールがうまくいかず、細菌の活動も活発になり、口臭、虫歯、歯周病が悪化することがあります。

食後は、食べ残し飲み残しを無くし、デンタルフロスなどを使用し食べカスを取り除き、唾液の発生を促す(酸性化された口腔内を中和にする)ことです。ガムをかむことで唾液の分泌が促進されます。これは好都合です。

 

結び

唾液(だえき)の中には、洗浄作用、殺菌・抗菌作用、消化作用等の成分が含まれています。 ところが就寝するとその分泌が抑制され、口腔内の細菌が増殖します。約8時間後ではその細菌の数は最大になっています。その細菌を飲み込み、胃袋の中に入れるのは・・・。「口の中は肛門の周りより汚い」チョット勇気がいります。

そんな状態を回避するためには
1. 寝る前の歯磨き
時間をかけて歯、歯と歯肉の間、歯肉などをブラッシングします。十分磨いたと思っても、細菌のすべてがクリアできるわけではありませんが、数を激減させることは可能です。リスクが減るわけです。

2. 寝起きの歯磨き
寝る前ほどの時間は不要ですが歯、歯と歯肉の間、歯肉などをブラッシングします。これは細菌をクリアするブラッシングです。
すくなくとも以上は必須です。

 

唾液の成分

唾液(だえき)は、唾液腺から口腔内に分泌される分泌液です。水、電解質、粘液、多くの種類の酵素から構成されています。唾液は、唾液腺より分泌される。正常では1日に1-1.5リットル程度(安静時唾液で700-800ミリリットル程度)分泌され、成分の99.5%が水分であり、無機質と有機質が残りの約半分ずつを占めています。

作 用成 分 名
緩衝作用
pHを一定に保つ
・重炭酸塩
・リン酸塩
殺菌・抗菌作用・リゾチーム
・ラクトフェリン
・ヒスタチン
・ペルオキシダーゼ
・アグルチニン
・ディフェンシン
消化作用・プチアリン(アミラーゼ)
・マルターゼ
・リパーゼ
再石灰化作用・カルシウム
・ミネラル
その他・プロリンリッチタンパク
・スタセリン
・シスタチン
-表1-

唾液(だえき)には、洗浄作用、殺菌・抗菌作用、消化作用、再石灰化作用等の成分が含まれています。

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