歯周病は細菌感染・最悪歯が抜けます
歯周病とは、
口腔内の細菌感染です。その細菌により引き起こされる炎症性の疾患です。
歯周病になると、歯ぐきのはれや出血などから始まり、進行すると歯がぐらぐらして抜けてしまうこともあり、歯を失う大きな原因となっています。
又、歯周病は静かなる病気と呼ばれ、痛みなどの自覚症状がほとんどないため、気づかないうちにひどくなっているケースが多く、35歳位を過ぎると8割以上の方が歯周病にかかっているといわれています。
最近では歯周病が、糖尿病や誤嚥性肺炎、動脈硬化など全身のさまざまな病気と関わっていることも明らかになってきています。歯垢をしっかり取り除き、口の中全体を清潔にしておくことは、歯周病の予防のためだけではなく、全身の健康を保つためにも極めて大切なことなのです。
「長寿の鍵は“口”にあり」という報道がありました。
NHKのクローズアップ現代 2014年12月1日(月)放送
こちら
“毎日朝晩歯を磨く”、“口の中を清潔に保つ”こうした基本的な口のケアが、糖尿病、腎臓病、心筋梗塞、さらには認知症など全身の疾病に深く関係していることが、最新の研究で明らかになってきた。また、ガンなどの手術の前後に口腔ケアを行うと、副作用や合併症を減らし入院日数も短縮、医療費抑制の効果が大きいこともわかってきた。というものです。
歯周病の原因・しくみ
歯周病は、歯垢(プラーク)が原因です。
ブラッシングの清掃が不十分だとか、砂糖の多い食べ物を食べると、口中に不快感が残り、歯の表面に付着します。この付着したものが歯垢(プラーク)です。うがい程度では簡単には落ちません。
歯周病治療・予防
歯周病の原因は歯垢ですから、ためない、増やさない、その為にはブラッシングです。
歯周病の恐ろしい点は、初期・中期には痛みをあまり感じることがなく症状がどんどん進むことです。 痛みや腫れの症状が出てくるのは末期になってからで、それまではほとんど自覚症状ありません。 これがこの病気の特徴です。末期まで行くと歯を失います。
歯周病の検査がまだの方は、歯周病の検査をするとよいでしょう。歯周病があるのかないのか。あればどの程度か等がはっきりします。自分の現在の状態を調べることにより、ケアの方法が違ってきます。歯周病の検査だけの診察も行っています。必要であればその場で治療も可能です。上でも話したように歯医者さんにより、健康保険がつかえるかどうか確認をしてください。
歯周病のうち、歯肉に炎症が起こる病気を歯肉炎(しにくえん)、他の歯周組織にまで炎症が起こっている物を歯周炎(ししゅうえん)といいます。歯肉炎で最も多いのはプラーク性歯肉炎であり、歯周炎のうちで最も多いのは慢性歯周炎であるため、歯肉炎、歯周炎といった場合、それぞれ、プラーク性歯肉炎、慢性歯周炎を指すのが一般的です。
歯周病と全身に及ぼす影響
妊娠性歯肉炎、骨粗鬆症、メタボリックシンドローム、狭心症・心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病、誤嚥性肺炎等の様々な病気と歯周病が密接に関連していることが分かってきました。研究が進めば左記以外の病気との関連性が明確になると思われます。
妊娠性歯肉炎
妊娠性歯肉炎という妊娠時の病気があります。これは妊娠終期にはエストロゲン、プロゲステロン等の女性ホルモンが月経時の10~30倍になるといわれており、このため妊娠中期から後期にかけて妊娠性歯肉炎が起こりやすくなるのです。
基本的には歯垢が残存しない清潔な口の中では起こらないか、起こっても軽度ですみますので、妊娠中は特に気をつけてプラークコントロールを行ってください。 油断すると出産後に本格的な歯周病に移行する場合もありますので、注意が必要です。
歯周病と骨粗鬆症
女性の閉経後、エストロゲンの分泌が少なくなると、全身の骨がもろくなるとともに、歯を支える歯槽骨ももろくなります。また、歯周ポケット内では、炎症を引き起こす物質が作られ、歯周炎の進行が加速されると考えられています。
多くの研究で、骨粗鬆症と歯の喪失とは関連性があると報告されています。 したがって、閉経後の女性は、たとえ歯周炎がなくても、エストロゲンの減少により、歯周病にかかりやすく、広がりやすい状態にあると言えます。
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